お経を聞く(落ち込んだ時・2)

延命地蔵和讃(エンメイジゾウワサン)

お地蔵様は、お釈迦様が亡くなられてから五十六億七千万年後に弥勒菩薩様がこの世に降りて来られ、すべての衆生を救い上げてくださるまでの間、いかなる時も私たちのそばにおられます。ともすれば十善戒に背きがちな私たちの「十悪業の因縁」をも解き放ってくださいます。「大慈大悲の深きこと」この上ないお地蔵様は、合掌する心へ春風をもたらしてくださることでしょう。

 

読み下し文

延命地藏和讃(えんめいじぞうわさん)

歸命頂禮(きみょうちょうらい) ぢぞうそん 釋迦(しゃか) の付属(ふぞく) を憶念(おくねん)し

惡(あく)趣(しゅ)に 出現(しゅつげん)し 給(たま)ひて  衆生(しゅじょう)の 苦患(くげん) を導(みちび)けり

等覺(とうがく) 無垢(むく)の
大士(だいし)たち  其數(そのかず) あまた在(まし)ませど

大(だい) 慈(じ) 大(だい) 悲(ひ)の 深(ふか)きこと  地(じ) 藏(ぞう) 菩(ぼ) 薩(さつ)に 如(しく)はなし

無始(むし)より 我等(われら) 流轉(るてん)して いつか 生死(しょうじ)を 離(はなる)べき

六(ろく)趣(しゅ)輪(りん)廻(ね)のあり様(さま)は 車(くるま)の廻(めぐ)るが如(ごと)くなり

一念(いちねん)まよひし始(はじめ)より 無明(むみょう)の暗(くら)き闇(やみ)にいり

長夜(ちょうや)の眠(ねむ)り深(ふか)ければ 夢(ゆめ)に驚(おどろ)くこともなし

退(たい)没(もつ)五(ご)衰(すい)の悲(かな)しみも 生老病死(しょうろうびょうし)の苦(くる)しみも

皆(みな)これ火宅(かたく)の焰(ほのお)にて 胸(むね)を焦(こが)せる煙(けむ)りなり

妻(さい)子(し)珍(ちん)寶(ぼう)及(ぎゅう)王(おう)位(い) 眷属(けんぞく)牛馬(ぎゅうば)おほけれど

魂(たましい)中有(ちゅうう)にいりぬれば 一(ひとつ)も従(した)がふ者(もの)ぞなき

此(この)時(とき)誰(たれ)をか頼(たの)むべき 其(その)苦(く)を誰(たれ)かは助(たすく)べき

ただ願(ねが)はくば地(じ)藏(ぞう)尊(そん) 迷(まよ)ひを導(みちび)き給(たま)ふべし

修羅(しゅら)けうまん闘諍(とうじょう)も 畜生(ちくしょう)愚(ぐ)知(ち)の残害(ざんがい)も

因果(いんが)の道理(どうり)定(さだ)まりて 脱(のが)るる便(たよ)り無(なか)りけり

哀(あわ)れ拙(つた)なき我(われ)等(ら)かな 知(しら)ずば偖(さて)も止(やみ)ぬべき

已(すで)に此(この)の理(り)を辨(わきま)へて 後世(ごせ)を恐(おそれ)ぬ果敢(はかな)さよ

飢(うえ)に臨(のぞ)みて子(こ)を喰(くら)ふ 餓(が)鬼(き)の想(おも)ひぞ哀(あわれ)なる

腦(のう)を碎(くだ)きて血(ち)を吸(すえ)ど 心(こころ)に飽(あ)く事(こと)更(さら)になし

想像(おもいやる)べし其(そ)のときの 苦(く)患(げん)の程(ほど)は如何(いかば)かり

況(いわ)んや地獄(じごく)の有様(ありさま)は 心(こころ)も言葉(ことば)も及(およ)ばれず

無間(むけん)焦熱(しょうねつ)大叫喚(だいきょうかん )  名(な)を聞(きく)だにも恐(おそれ)あり

正(まさ)しく魂(たましい)獨(ひと)りゆき 焔(ほのお)に入(い)らん悲(かな)しさよ

娑婆(しゃば)にて慈悲(じひ)の名號(みょうごう)を 一(ひと)度(たび)唱(とな)ふる功(く)力(りき)にて

業(ごう)にひかるる魂魄(こんぱく)を 導(みち)びきたまへ地(じ)藏(ぞう)尊(そん)

知(しる)のみならず彼(かの)尊(そん)の 三(さん)種(じゅ)の賀(が)字(じ)の眞(しん)言(ごん)は

十惡業(じゅうあくごう)のゐんねんを 不生(ふしょう)なりとぞ示(しめし)ける

因業(いんごう)已(すで)にむなしくば 苦(く)報(ほう)何處(いずく)に有(あり)ぬべき

因果(いんが)と共(とも)に不生(ふしょう)なる 阿(あ)字(じ)宮殿(くうでん)の佛(ほとけ)なり

南(なん)方(ぽう)大(だい)士(し)地(じ)藏(ぞう)尊(そん) 寶生(ほうしょう)如來(にょらい)幢(どう)菩薩(ぼさつ)

淨菩提心(じょうぼだいしん)如意寶珠(にょいほうじゅ) 左(ひだり)の御(み)手(て)の寶(ほう)珠(じゅ)には

置(ち)在(ざい)高(こう)幢(どう)雨(う)種々(しゅじゅ)寶(ほう) 世出世間(せしゅっせけん)の願(がん)をみつ

我(われ)等(ら)貧(ひん)里(り)に呻吟(さまよ)ひて 願(ねが)はざるこそ悲(かなし)けれ

偖(さて)又(また)三(さん)部(ぶ)の曼(まん)陀(だ)には 觀(かん)音(のん)持(じ)寶(ほう)金(こん)剛(ごう)幢(どう)

一(いっ)體(たい)大(だい)非(ひ)の門(もん)にいで 衆生(しゅじょう)を攝化(せっけ)し給(たま)へり

輪圓(りんねん)具足(ぐそく)の法性塔(ほっしょうとう)  六(ろく)大(だい)無(む)碍(げ)の錫杖(しゃくじょう)を

執持(しゅうじ)の御手(みて)に打振(うちふり)て 深(ふか)き眠(ねむり)をおどろかす

一(いち)門(もん)則(すな)はち普(ふ)門(もん)にて 地藏(じぞう)すなはち遍照尊(へんじょうそん)

因果(いんが)一如(いちにょ)の法門(ほうもん)は 不二摩訶衍(ふにまかえん)の佛(ほとけ)なり

 

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