樹木葬(共同型自然墓)「法楽の郷(サト)」について

樹木葬「共同型自然墓」とは何か?

当山の樹木葬「共同型自然墓」は、自然葬のように「お骨を自然へ還す」あるいは「海や山へ撒く」よりも、もっと端的に「自然をお墓とする」考え方です。人間が文字どおり自然と一体になって生きていた縄文・弥生の心を想うお墓です。
散骨ではなく、お骨を木綿の布袋へ入れて納める普通の納骨なので、お骨を粉になるまで〈砕く〉必要はありません。
大自然への入り口となるお墓は、通称土まんじゅうと呼ばれる昔風の小さな塚です。自然の一部である私たちが共に塚へ入り、共に自然へ還って行くのです。塚のある里から山を望み山へ還るのは、お大師様が「吾、永く山に還らん」と緑深い高野山に終の場を定められたイメージと同じです。
笹倉山を望む場所に草で覆われた塚があり、周囲は皆さんからご寄進いただいた桜の木や石、さらには種々の植物たちに囲まれています。塚の両脇には山桜と高野槇(コウヤマキ)を植えました。塚の横では七ツ森の守本尊薬師如来様が微笑みながら静かに故人を見守っておられます。

永代使用料

  • 10万円

年間管理料

  • 2千円 ( 30年以降無。一括払い可能 )
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    樹木葬「共同型自然墓」が生まれた経緯

    これまで、たくさんの方々から自然葬のご相談があり、かつて、当山でも企画してみました。そこでいくつかの問題点を知りました。
    まず、お骨が撒かれるという点について、山をとりまく周辺住民の方々がなかなか気持良くご理解されないこと。それから、せっかくていねいに骨壺へ収められているお骨を砕くという行為に心理的問題が伴うこと。それから、生きものである樹木を管理し、里山を守って行くには相当の経費がかかり、それをどうしてもご縁を求められる方に負担していただかなければならないこと。
    これらの問題点を解決すべく、当山はずっと考えてきました。

    また、平成二十三年三月十一日、私たちは、地震と津波という自然の圧倒的な力で叩きのめされ、引き続いて起こった原発事故により、自然をどこまでもコントロールできると考えてきた高慢の鼻をへし折られました。自然を〈征服〉し、物質文明を発展させようとする姿勢だけではこの先へ進めないことを骨の髄まで知らされました。
    いじめ・自殺・格差拡大と、ささくれ立った日本の精神風景を変え、潤いのある社会を取り戻すには、生きとし生けるものと共に生きた縄文(縄文時代はずっと、戦争と無縁でした)・弥生の人々に学ぶ必要があるのではないでしょうか。また、工業と商業を発展させることは必要ですが、すぐそこにきている食糧難の時代へいち早く対応するためには農業と漁業を活発化させ、できるだけ自給自足できるシステムをつくらねばなりません。東北の真の復興は、山・森・里・川・海を大切にし、そこに住む生きものたちとの交感によって、物質文明へ偏りすぎた私たちの心を、いのちの世界へと舵を切るところにこそ見いだすべきではないでしょうか。

    こうしたことを考えながら、当山は一年以上かけて、自然へ還るイメージのお墓を研究してきました。

    ある時、子供の頃に福島県で行われたお葬式へ連れて行かれた時の光景を思い出しました。それは、林の向こう、開けた場所にいわゆる土まんじゅうが点在している土葬時代の墓所です。

    「そうだ、草の下の土に還れば良い」

    そして、玉龍に覆われたマウンドの形態が決まりました。
    また、津波で犠牲になった家族のお身内から、「絶対に津波の来ない山へ葬ってやりたい」というお話もたびたびお聞かせいただいていたので、笹倉山を借景にし、マウンドの手前には皆さんからご寄進された石や樹木を配して山と川の風景を創りました。

    河北新報へ「縄文の墓 盛り土多数」が掲載されました。青森県五所川原市の五月女萢(ソトメヤチ)遺跡で、縄文後期から晩期にかけてのお墓が多数、みつかったのです。
    関根達人教授(弘前大人文学部)はこう指摘されました。

    「マウンドは特殊な埋葬ではなかったと推測される。墓標もあり、縄文時代も墓地としてわかるようになっていたと思われる。これまでの縄文景観を塗り替えるものだ」

    当山にとっては、魂の震えるできごとでした。

    また、同日、ご縁の方から高知新聞社発行『遍路の風景』をご寄進いただきました。その六十八ページに四国霊場第四十七番八坂寺の古い墓標が掲載されており、当山が樹木葬「共同型自然墓」の脇へ設置する塔へ通じている姿に再び、魂が震えました。

    こうして樹木葬「共同型自然墓」は完成したのです。

    願い

    当山の樹木葬「共同型自然墓」は、決して従来のお墓を否定しようとするものではありません。多様な埋葬の形式が許されるこの国において、皆さんの願う形を確保しながら宗教施設としての役割を果たしたいのです。同時に、古代縄文・弥生を生きたご先祖様型へ心を通わせていただきたいのです。当山には、一般的なお墓もあり、十三仏を配した共同墓「法楽の礎」もあります。今回、樹木葬「共同型自然墓」という形式が一つ加わりました。

    樹木葬「共同型自然墓」が皆様にとって「この世の幸せとあの世の安心」の一助になったならば幸いです。 

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