お地蔵様は、お釈迦様が亡くなられてから五十六億七千万年後に弥勒菩薩様がこの世に降りて来られ、すべての衆生を救い上げてくださるまでの間、いかなる時も私たちのそばにおられます。ともすれば十善戒に背きがちな私たちの「十悪業の因縁」をも解き放ってくださいます。「大慈大悲の深きこと」この上ないお地蔵様は、合掌する心へ春風をもたらしてくださることでしょう。
亡くなって四十九日間の御霊は、中有(チュウウ)という、あの世とこの世の間的な存在となっているとされています。そこへはいかなる親しい人といえども一緒に行くことはできません。お地蔵様は、そこにあって「業(ゴウ)に引かるる魂魄(コンパク)」を導いてくださいます。一人で清浄世界へ向かう旅に出た御霊にお地蔵様のご利益があるよう、祈りましょう。
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延命地藏和讃
歸命頂禮 ぢぞうそん 釋迦 の付属 を憶念し
惡趣に 出現し 給ひて 衆生の 苦患 を導けり
等覺
無垢の
大士たち
其數
あまた在ませど
大 慈 大 悲の 深きこと 地 藏 菩 薩に 如はなし
無始より 我等 流轉して いつか 生死を 離べき
六趣輪廻のあり様は 車の廻るが如くなり
一念まよひし始より 無明の暗き闇にいり
長夜の眠り深ければ 夢に驚くこともなし
退没五衰の悲しみも 生老病死の苦しみも
皆これ火宅の焰にて 胸を焦せる煙りなり
妻子珍寶及王位 眷属牛馬おほけれど
魂中有にいりぬれば 一も従がふ者ぞなき
此時誰をか頼むべき 其苦を誰かは助べき
ただ願はくば地藏尊 迷ひを導き給ふべし
修羅けうまん闘諍も 畜生愚知の残害も
因果の道理定まりて 脱るる便り無りけり
哀れ拙なき我等かな 知ずば偖も止ぬべき
已に此の理を辨へて 後世を恐ぬ果敢さよ
飢に臨みて子を喰ふ 餓鬼の想ひぞ哀なる
腦を碎きて血を吸ど 心に飽く事更になし
想像べし其のときの 苦患の程は如何かり
況んや地獄の有様は 心も言葉も及ばれず
無間焦熱大叫喚 名を聞だにも恐あり
正しく魂獨りゆき 焔に入らん悲しさよ
娑婆にて慈悲の名號を 一度唱ふる功力にて
業にひかるる魂魄を 導びきたまへ地藏尊
知のみならず彼尊の 三種の賀字の眞言は
十惡業のゐんねんを 不生なりとぞ示ける
因業已にむなしくば 苦報何處に有ぬべき
因果と共に不生なる 阿字宮殿の佛なり
南方大士地藏尊 寶生如來幢菩薩
淨菩提心如意寶珠 左の御手の寶珠には
置在高幢雨種々寶 世出世間の願をみつ
我等貧里に呻吟ひて 願はざるこそ悲けれ
偖又三部の曼陀には 觀音持寶金剛幢
一體大非の門にいで 衆生を攝化し給へり
輪圓具足の法性塔 六大無碍の錫杖を
執持の御手に打振て 深き眠をおどろかす
一門則はち普門にて 地藏すなはち遍照尊
因果一如の法門は 不二摩訶衍の佛なり